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怒涛の3月、見合い編

ほとぼりが冷めたのでもういいかな、

そんなボロボロの中、見合いに強制連行されました。

それは一本の電話から始まった。

相手は5年位前に定年退職された、自分も社長もお世話になった人で数少ない頭の上がらない人だった。

しかし、退職して一切連絡が無かったのにいったい何用なのか?

その開口一番、

「あんた、結婚してる」

は?

まあ、こんな自分ひとり生きてくのに精一杯の自分が結婚してるわけも無く

「してませんね、一人で生きてくのに手一杯っすよ」

「ならお見合いばねんね、その年で結婚せんとかおかしいよ、今度の土曜日にコンサートが
あるけん、そこに連れてくるから」

それは人の勝手です。
それに、3月は前回も書いたとおり、心身ともにボロボロだった。

「いやー今忙しい時期なんで・・・」

「なにいっとるん!なら、社長に直接話しばつけちゃる。一日ぐらい空けさせるけん。
なぁ、世のなか持ちつ持たれつやろ」

・・・ウソでしょ

でも社長に迷惑を掛けるわけには行かない・・・

「・・わかりました、なんとか時間をつけますんで」

「ようゆーてくれた。あんたならそうゆうてくれるとおもった」

・・・

その人はまさに老いて直盛んを地で行くような、ロマンスグレーの髪をオールバックにした、

銀魂の松平片栗虎からグラサンと眉間のしわを抜いたような人(もちろん一般人です)

(以降松平氏)

念のため社長に事の経緯を話したところ一言

「・・・行ってこい、それも人生経験だ」


それから、土曜までの1週間生きた心地がしなかった。

水曜に相手の人の経歴書を持ってくるとのことだったが、予定が入って持って来れなくなり、

当日まで相手の名前すら知らない状態で見合いをすることになった。

いろんなことを考えさせられた。

付き合うということ、収入のこと、生活のこと、結婚のこと、養うということ、

自分の価値、とは言うものの相手が自分に気に入らなければそこで終わりなだけの話、

フィーリングが合えば・・・それも人の縁というもの。

重くも軽くも様々なことが頭の中で渦巻き、ろくに眠れない日々が続いた。


そして当日、自分はとりあえずコンサートを楽しもうという結論に至った。

そっから話のきっかけを掴めばいいと・・・

しかし、一軒家のような喫茶店を会場にした狭い会場で30人で一杯一杯の会場。

コーヒーとケーキがついたコンサートだが、人がぎゅうぎゅうでゆっくりも出来ない。

そんな中、松平氏は私に積極的に話せとせっつく。

いやいやいや・・・そんなことをしてたら周りの人に迷惑がかかるでしょ!!

・・・

感想としては演奏は非常に良かった、しかし会場の段取りはもうちょっと何とかならんかと・・・

コンサート後、松平氏はなにやら重要な話があるとの事で席を立ち

私は相手の方と二人っきりになった。

どっかの喫茶店で話でもしてこいとのお達しだが、私は近くの駅まで送ってもらうことにした。

(私は会場まで電車とバスで来ています)

車で近くの駅まで送ってもらいがてら色んな話をした。

自分の話、相手の話、仕事の話、コンサートの話、他愛のない話

ただただ普通にお話をして・・・

「今日は有難うございました。では・・・」

私はそこでお別れをした。

色々考えた結果、一切連絡先を聞かずお別れした。

相手はどう思ったかは知らない。

まぁ、どう思われたとしても仕方ない。

せめて色んな事件がある昨今、自分の個人情報を数時間あっただけのよくわからん男に知られなかった

という安心感はあるだろう。

私は相手の事を知らない。

相手も私の事を知らない。

そしてお別れ。

相手も何も聞かない

つまり、私は相手にその程度だと思われたのだろう。

でもそれでいい。

世のなかにはたくさんの私よりすばらしく好条件な男性がいるだろう。

一応言っておくが相手の女性はとても、気配りの出来るすばらしい方だった。

・・・だからこそ他のいい男性と幸せになってほしい、そう思った。

文章だから少々かっこよく見えるが、ま、実際はあまりにも無様に見えるよね、否定はしないけど

しっかしこの一週間は長かった。

改めて自分という存在をまざまざと突きつけられたそんな期間だった。

・・・それこそ気が狂うように

by el-astel | 2015-05-12 20:12